スマートフォンやインターネットの存在が当たり前になった現代。その影響を受けているのは子どもたちも例外ではありません。今の子どもたちは、小さなころからインターネットやIT機器に触れており、小学校ではプログラミング教育も始まっています。
この連載では、ITや科学テクノロジーにあふれる現代の教育手法として注目される、『STEAM教育』(スティーム教育)について、実際の取り組みも含め、シリーズで紹介します。
今回は初回ということで、『STEAM教育』の定義をまずご紹介したいと思います。
『STEAM教育』の定義
一般社団法人STEAM教育協会によると、『STEAM教育』は次のように定義されています。
STEAM教育とは、「Science,Technology,Engineering,Art,Mathematics等の各教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育」であり、「学際的なアプローチ」「アカデミックと現実世界の融合」「学校と社会の接続」をしながら学ぶことである、と考えています。
https://steam.or.jp/
つまり、『STEAM教育』とは、学習教科の枠組みにとらわれず、様々な分野を交わらせた創造的な教育志向のことを指します。
『STEAM教育』のもとになったのは、2000年代の欧米で生まれた『STEM教育』
欧米では『STEAM教育』が提唱される以前から、『STEM教育』と呼ばれる教育プログラムが存在していました。
ここでいうSTEMとは、
S=SCIENCE 科学
T=TECHNOLOGY 技術
E=ENGINEERING 工学
M=MATHEMATICS 数学
これらの頭文字をとったもの。つまりは、『テクノロジーを含む理数系教育』のことを指しています。
2011年にはアメリカのオバマ大統領(当時)が演説で取り上げたことで脚光を集めました。アメリカではその後国家戦略として『STEM教育』に取り組んでいます。
その後STEM教育に対して、より創造的な学びとしてART(芸術)を加えることが提唱されます。これがSTEAM教育の始まりです。
STEAM教育はその後、アメリカやヨーロッパだけではなくシンガポールなどでも盛んに取り組まれるようになっていきます。
『STEAM教育』が重視するもの
『STEAM教育』では、今の子どもたちに対して、テクノロジーを使いこなすだけでなく、新たな変化を作り出していく能力を重視し、クリエイティブかつ理数的な思考を育てることが大切とされています。
この枠組みの中には、プログラミングや、ビデオゲームも含まれます。
プログラミング教育は今や小学校でも必修化されましたし、マインクラフトなどのビデオゲームを取り入れた教育も民間が先行する形で盛んに研究されています。
今までは、勉強を妨げるものとされる場合が多くあったゲームやインターネット。2020年代に入り日本でも、子どもたちの創造力を高める教育の側面から見直されつつあるといえるでしょう。
なぜいま、『STEAM教育』が注目されているのか、近年目覚ましいAIの発達と『STEAM教育』にどんなかかわりがあるのかについては、次回の記事でお届けします。
また、JOZを運営するビーウィズ株式会社では、長崎県で『STEAM教育』を支援する取り組みを実施しています。当社の実際の取り組みについても、今後の記事で紹介予定です。